長嶋茂雄氏の生家が廃墟化 

出しが躍ったのは、10月6日に発売された『女性セブン』だ。同誌によれば、千葉県佐倉市にある長嶋氏の生家が廃墟化し、敷地内へのゴミの不法投棄や害虫被害に苦悩する近隣住民たちは行政に「強制解体」を直訴する予定だという。

 国民栄誉賞を受賞した「ミスタープロ野球」が生まれ育った家に一体、何が起きているのか。真相を確かめるべく一路、佐倉へと向かった。

〈ようこそ 印旛沼湖畔のまち 長嶋茂雄さんのふるさと佐倉市臼井へ〉

 ミスターのお膝元らしく、最寄りの京成電鉄臼井駅前には、こんな大きな看板が掲げられている。長嶋氏の母校・臼井小を訪れると、校門に飾られた「巨人軍 長嶋茂雄」と刻印された記念プレートを50代の男性が熱心に撮影していた。聞けば「大ファンで愛知から来た」という。“ミスター人気”はいまだ健在である。

◆ゴミが不法投棄される

 その小学校にほど近い場所に長嶋氏の生家はある。広大な敷地に建つ一軒家だ。裏手に回ると一面の荒れ野原が広がる。元々田んぼだったというぬかるんだ土地の上に、1メートルを超える高さの雑草が生い茂り、羽虫がぶんぶんと飛び交っている。庭の奥に立つ大木は、枝葉が伸びに伸びて、隣接する家の屋根まで覆いかぶさっている。家屋の表面には鬱蒼とした蔦が絡みつき、異様な雰囲気が漂う。近隣住民が声を潜める。

「この家には茂雄さんのお兄さんが住んでいたのですが、5年ほど前に亡くなった。その後は息子さん、つまり茂雄さんの甥っ子さんが相続したようです。彼は千葉市で暮らしていて、空き家になってしまったこの家は荒れ放題です」

 近隣への被害は少なくない。別の住民はこう窮状を訴える。

「ボウフラやらがわいているようで、窓を開けていると蚊や羽虫が家の中に入ってくる。ネズミや蛇も出るし、大木にはカラスが巣を作っている。蔦もコンクリート壁をつたってこちらの敷地にウジャウジャ入り込んでくる。処理しようにもとても手がかかります。

 この有様ですから、みんなゴミを不法投棄していくんです。コンビニのお弁当の食べかすなども捨てられるから悪臭がものすごい」

 この惨状に、ある住民は本音を漏らした。

「できれば茂雄さんが清掃するなり、処分するなりしてくれればよいのですが……。彼にとって、その費用は大きな負担にはならないはずです」

週刊ポスト2016年10月28日号