わんルーム・・・名犬ヘロッピ物語・ヘロッピと子犬の3日間・・・7

子犬達はまだヘロッピの芸が見たいらしく やかましくせがむのであった。

「おとうちゃん もっとみせてんか 面白いやつないのんかいな さんべん回って「わん」より他のん

みせてえな」とせがむのである。

「あかん お前らお手とお座りの稽古でもしとけ」

と言うのであるが子供たちはうるさく騒ぎだした。

「おとうちゃん うけるやつなんかおしえてんか」

ヘロッピはしかたなくなにかすることにした。

「ほんならなんかみせたるよってよう見とけ これが最後やで」といってやりはじめた。

ヘロピは座りながら前足を頭の上に乗せて下を向くのである。

「おとうちゃん それなんやねん ようわかれへんがな」

「お前らアホか!これは反省のポーズや ご主人様に怒られた時に反省しているようにみせるのんや

こうするとご主人や他の人間は感心してなんぞ食いもんくれるときがあるねんがな」

「おとうちゃん なんでも食いもんにつながってるねんな ちょっといやしいのんと違うか」

「なに言うてんねん このまえ公園でこれやったら大うけで ようけおやつもろてんど」

お前らもこれ覚えとけ」

「せやけどちょっとかっこわるいな」と子供たちがいうので

「アホ!ショートケーキもろてんど お前ら食べたことないやろ」

ヘロッピはかなり食い意地がはっているようである

「おとうちゃん もっとまともなやつないのんか 食いもんと関係ないやつがええねん」

「ほんなら 教えたる これはちょっと難しいねん この辺の犬にはでけへんやつや 隣のホンダ

なんかアホやさかい絶対無理や 柴犬のポチでもむりやろ」

「おとうちゃんもったいぶらんとはややってんか。

「これは 算数やさかいちょとでけへん 人間が1たす1というとなんぼかいうやつや」

「おとうちゃん 算数てなに」とアリスにきかれて得意げに話しのである。

「足し算や1と1たすと2やさかいワンワンと二回なくねん」これもうまくいくと人間はびっくりすること

間違いなしやこれもなんぞ食いもんもらえるんや 前これで卵やきもろてん 」

「おとうちゃん やっぱり食べるもんにつながるんやな 卵焼きやったら隣のホンダのおっちゃんと

えろうかわらんがな」

「アホあんないやしいやつといっしょにするな」と言って怒り出すのであった。

「ほんなら2たす2はどうするねんな」といわれてヘロッピはまた得意げにいうのである。

「それは4回ワンワンワンワンと言うたらええねん」

「おとうちゃんえらいねんな ほんなら15たす30やったらどないやねん」

ヘロッピは少しかんがえて言った。

「アホ!そんなようけでけへん 何回もワンワン言うてられへんやないか 一桁だっけや」

「だいち 何回言うたか忘れてしまうがな」と言ってごまかすのである。

「一桁てなんやねん わかれへん」とパウロに聞かれてまた得意げにいうのである。

「10までや 50も100もワンワンいうてたらかえってうるさいいうて怒られるししんどいやないか」

そうかと子供たちも納得したようである。

「とにかくおまえらはお手とお座りからやれと言って犬小屋に入って寝てしまったのである。

続く